人間禅について

 禅の修行は、お釈迦様を教主とし達磨大師を始祖として、釈迦の悟りと全く同じく悟りを開いて人間形成を図る行です。従来臨済宗鎌倉円覚寺や妙心寺などの専門道場(お寺)に出家してその道を進んでいました。

 

 明治8年、奥宮慥斎、山岡鉄舟、高橋泥舟、中江兆民らが、円覚寺館長の今北洪川禅師を東京に拝請して人財育成のための在家禅の会「両忘会」を始めました。今北洪川禅師の帰寂によって暫く中断。明治35年、次の館長釈宗演禅師の法を嗣がれた釋宗活老師が両忘庵の号を授かり、師の命を受けて中断していた「両忘会」を再興され、円覚寺から独立して社会人の為の在家禅として興隆しました。

 

 終戦後、封建的社会が一掃され宗教法人法が改定されましたので、「両忘禅教会」は発展的解消を図り、両忘庵釋宗活老師の法を嗣がれた耕雲庵立田英山老師によって「宗教法人人間禅」が設立されました。

 人間禅というとなじみにくい名前ですが、性別を超え、国を超えどなたでも参加できる、人間形成の禅という意を含んだ名称です。以下に設立の主旨を掲載します。

 

 

 

設立の主旨

一、人間禅は、自利利他の願輪を廻らして、ほんとうの人生を味わいつつ、世界楽土を建

  設するのを目的とする。

 

一、間禅は、坐禅の修行によって、転迷開悟の実を挙げ、仏祖の慧命を永遠に進展せしめ

  る。

 

一、人間禅は、正しく・楽しく・仲よく 人間味の豊かな人々の家庭である。

 

一、人間禅は、禅 本来の面目なる自由と平等とを尚び、各自の人格を尊重する。

 

一、人間禅は、神秘を語らず迷信を説かず、堂々と如是法を挙揚し、合掌して人間禅を宣

  布する。